『一泊なのにこの荷物!』
俳優さんって文章の上手い人がたくさんいますね。この本の著者ほんじょ(本上まなみ)もその一人。以前から愛読しております。
図書館で、お、新刊だ!と予約した本は、ほんじょとその夫で編集者の澤田さんとの共著でした。
澤田さんといえば、椎名誠のエッセイを読んでいる人にはおなじみの「ドレイの澤田」その人です。ずいぶん前、ほんじょと結婚のニュースに、ドレイが年下美人女優(18歳差)と結婚?!と驚き、これは嫉妬から周りにいじめられるのでは、と心配したものです。
二人の子どもも、お姉ちゃんはもう中学生だし、弟君も小学生。結婚生活も20年ほどになるそうです。同じテーマで、妻→夫の順に書かれたエッセイは、2020年の春から連載され、それはコロナの自粛生活と重なることになりました。
ニュースでは、自粛生活で関係が悪化した夫婦や親子の話を目にしました。ほんじょの家では、今まであわただしかった朝食が、家族そろってゆっくりに。近くの賀茂川に行って怪しい体操したり、鬼ごっこしたりキャッチボールしたり。お姉ちゃんは家で本を読んで、居心地いいんでしょう「このままでええなあ」。とっても仲良し。
ほんわかのんびり学校の成績もぼちぼちだった妻に、成績優秀で学級委員、なかなかこだわりが強そうな夫、子供二人は妻似のようです。
あとがきに、夫婦そろって結婚記念日を忘れるという話が出てくるが、うちも長いこと結婚しているが、ふたりして結婚記念日を覚えていたことが一度もなく平和である。
ほんじょの出身高校最寄りの駅ビル内の書店の店長さんが以前、「本好きの本上さんならうちの店にきっと来たと思うんやけど、あんな美人が来たら絶対覚えてるはずなんやけどなあ」と話されていた。この本を読むと、ほんじょは住まいが隣の市で自転車通学だったのでした。
『一泊なのにこの荷物!』本上まなみ・澤田康彦 ミシマ社